2019/04/16 | カテゴリー:院長ブログ
みなさん
こんにちは!
腰痛の85%は原因不明
というようなことはテレビ番組などでも放送されたこともあります。
それでは85%の腰痛や坐骨神経痛は本当に原因が分からないのでしょうか?
原因不明という事は「原因がない」という事ではなく
「原因が分からない」という事になります。
その原因不明といわれる「非特異的腰痛」ですが、
原因不明の「非特異的腰痛」はレントゲン検査やMRI検査で
異常が分からない腰痛ゃ坐骨神経痛という事になります。
実際には85%といわれる原因不明の「非特異的腰痛」であっても
仙腸関節・椎間関節・椎間板・筋筋膜性腰痛という病態がレントゲン所見や
MRI検査によって異常がない場合でも腰痛・坐骨神経痛の原因となることが考えられます。
仙腸関節・椎間関節・椎間板・筋筋膜性腰痛という病態は画像診断ではわかりません。
では「画像検査でわからないのにどのように鑑別していくのでしょうか?
ということになります。
仙腸関節・椎間関節・椎間板・筋筋膜性腰痛という病態は身体の動きによっても
ある程度の予測が可能になります。
例えば体を前に曲げる(前屈動作)で腰痛が起きる場合では椎間板起因の腰痛・
椎間板ヘルニアを疑います。
体をそらす(伸展動作)体を回す(回旋動作)身体斜め後ろにそらすような動きで
腰痛が誘発される場合は椎間関節起因の腰痛や腰椎分離症の鑑別となります。
動作の途中や立ち上がり動作での痛みの出現は筋筋膜性の腰痛が疑われます。
仙腸関節の炎症からの腰痛では前屈時・伸展時・屈曲/伸展ともに痛いという
動きの中での痛みが認められることがあります。
腰を伸ばすと脚への放散痛(しびれ)が起きる時には脊柱管狭窄症を疑います。
身体動作の痛みだけでは病態が絞れても特定ができません。
そこで日常動作から見ていくと
座り姿勢や車の運転姿勢などいわゆる骨盤の後傾で疼痛が増強するのが
椎間板起因の腰痛・椎間板ヘルニアとなります。
椎間板起因の腰痛・椎間板ヘルニアでは力んだり、咳やくしゃみで腰痛や下肢痛(しびれ)が
増強することもあります。また、腰痛以外にも臀部の痛みや鼡径部(足の付け根)の
痛みも起きることがあります。
日常動作で立ち姿勢、歩行時で腰痛が増強するという人では
立位、歩行で骨盤の前傾(反り腰)になり、腰痛原因としては椎間関節起因の腰痛、
腰椎分離症が考えられます。
筋筋膜性腰痛症になると漫然と腰周辺が痛いという訴えが多くあります。
仙腸関節炎起因の腰痛では草取りをするようなしゃがみ動作や
鼠径部痛や臀部痛を伴うこともあり、来院時に「この辺が痛いです」と
仙骨上部を訴えることが多い事も特徴です。
脊柱管狭窄症での日常動作では「少し歩くと歩けなくなり、一休みしてまた歩ける。」
という症状や「スーパーなどでショッピングカートを押すと楽に歩ける。」
「足の裏にいつも何か貼ってある感じ」「いつも砂利を踏んでいるよう」
こんな状態が出てくると「脊柱管狭窄症かな?」
というリスクが多くなってきます。
そのような神経性疼痛が生じないように
原因不明といわれるような「非特異的腰痛」の状態で
「特異的腰痛」である「椎間板ヘルニア」や「腰椎分離症」「腰椎すべり症」「変形性腰椎症」の
状態で早めに治療していくことが大切です。